登下校の防犯で大切なのは「子どもを怖がらせること」ではなく、危険が集中する下校の時間帯と場所を親子で共有し、いざというときの約束を具体的に決めておくことです。共働きで登下校を子ども一人にせざるを得ない——その不安は当たり前。責める必要はありません。この記事で、今日から一つずつ整えていきましょう。
「行ってきます」を見送ったあと、無事に帰ってくるまでのモヤモヤした時間。仕事中でも「今どのあたりかな」と気になってしまう——共働き家庭にとって、登下校は毎日の小さな心配ごとです。でも、やみくもに心配するより、危険の「傾向」を知って対策を絞るほうが、子どもも親もずっと安心して過ごせます。
放課後に、社会とつながる。全国の仲間や、第一線で働く社会人・プロとの出会いが、子どもの世界を広げます。
NIJIN放課後プロジェクトスクールを見る ▶登下校はどんな危険がある?(時間帯・場所の傾向)
まず知っておきたいのは、子どもの被害が「いつ・どこで」起きやすいかという傾向です。傾向がわかれば、限られた時間でも対策のポイントを絞れます。
警察庁の白書によると、13歳未満の子どもが被害者となる事件は平日の登下校時、特に15時から18時の下校時間帯に集中しているとされています。朝は集団で家を出ることが多い一方、下校は学年やクラスで時間がバラバラになり、一人になりやすいことが背景にあります。
危険が高まりやすい「場所」の特徴
時間帯とあわせて、次のような「人の目が届きにくい場所」は注意が必要です。子どもと一緒に実際の通学路を歩きながら、どこが当てはまるか確認してみましょう。
- 周りから見えにくい細い道・雑木林や空き地・工事現場のわき
- 公園のトイレや駐車場など、人けが少なく死角になりやすい場所
- 塾や習い事の帰りなど、暗くなってから一人で歩く道
- いつもと違う「近道」や、人通りの少ない裏道

11/6(金)夜、小中学生の保護者向けオンライン説明会を開きます
親子で決めたい防犯の約束(合言葉・寄り道・知らない人)
子どもが自分の身を守るための約束は、抽象的な注意より「具体的な一言」で伝えるほうが記憶に残ります。全国の警察が広めている合言葉が「いかのおすし」です。
図:登下校の防犯チェックリスト(親子で確認)
- いか=知らない人にはついて「いか」ない
- の=知らない人の車には「の」らない
- お=こわいと思ったら「お」おごえを出す
- す=「す」ぐにげる(コンビニ・子ども110番の家へ)
- し=どんなことがあったか大人に「し」らせる
- 寄り道せず、決めた道を通って帰る
- 「今から帰る」を家族に連絡してから出発する
「知らない人」の伝え方を工夫する
「知らない人にはついていかない」は大切ですが、実際には「優しそうな人」「顔見知りかも」という相手に子どもは迷ってしまいます。「大人が子どもに助けを求めることはない(道を聞かれても大人に頼めばいい)」「少しでも変だと思ったら、まず距離をとる」と、判断の基準そのものを渡してあげると、とっさに動けるようになります。
合言葉は「練習」してこそ身につく
約束は一度話しただけでは、いざというとき出てきません。「もし後ろから声をかけられたら、どうする?」と親が役をやってロールプレイしてみる、実際に「子ども110番の家」の場所を一緒に歩いて確認する——こうした具体的な練習が、子どもの自信と行動につながります。
防犯グッズの活用(防犯ブザー・GPS・キッズケータイ)
「約束」だけでは心配なところを補ってくれるのが防犯グッズです。それぞれ役割が違うので、家庭の状況に合わせて組み合わせるのがおすすめです。
図:防犯グッズの比較(役割と選ぶポイント)
| グッズ | できること | 向いている家庭・注意点 |
|---|---|---|
| 防犯ブザー | いざというとき大きな音で周囲に知らせ、犯罪を思いとどまらせる。 | 全学年におすすめ。ランドセルのすぐ引ける位置に。電池切れ・鳴るかの定期点検を。 |
| GPS端末(見守り) | 今どこにいるか位置を確認できる。通話機能がないぶん低月額の目安。 | 「今どこ?」を知りたい共働き家庭に。学校が携帯を禁止でも持ち込みやすいことが多い。 |
| キッズケータイ | 位置確認に加え、家族と通話・メッセージができる。防犯ブザー機能付きも。 | 連絡を取り合いたい家庭に。料金は通信費が上乗せの目安。学校の持ち込みルール確認を。 |
見守りGPSは種類が多く、月額の目安や機能で迷いやすいアイテムです。選び方は見守りGPSの記事でくわしく整理しています。
地域・学校と連携した見守り
子どもの安全は、家庭だけで抱えるものではありません。学校・地域・行政が一緒に取り組む仕組みがあり、保護者はそこに「乗る」ことができます。
文部科学省は、学校・教育委員会・道路管理者・警察などが連携して通学路の合同点検を行い、危険箇所への対策を進めるよう求めています。校区の危険箇所を保護者や地域のボランティアと共有し、効果的な見守り活動につなげることも重視されています。
できることから参加してみましょう。無理のない範囲でかまいません。
- 学校や自治体が公開する「通学路の危険箇所マップ」に目を通す
- 登下校の時間に合わせ、犬の散歩や庭仕事などの「ながら見守り」に協力する
- 「子ども110番の家」やコンビニなど、逃げ込める場所を子どもと確認しておく
- 不審者情報が届いたら、家庭でもその場所・時間を子どもと共有する

留守番・帰宅後まで含めた安全を考える
登下校の対策と一緒に考えたいのが、家に着いてからの安全です。共働き家庭では、鍵を開けて一人で留守番、という場面も少なくありません。
- 玄関の鍵を開けるときは、周りに人がいないか確認してから(誰もいなくても「ただいま」と言う習慣を)
- 帰宅したら家族に「着いたよ」の連絡を入れる
- 知らない人が訪ねてきても、ドアを開けない・「今、手が離せません」と言う約束
- 火・水・戸締まりなど、留守番中のルールを紙に書いて貼っておく
留守番を任せる年齢や進め方に迷ったら、留守番は何歳からの記事も参考になります。子どもの発達や性格によって、無理のないステップを踏むのが安心です。
とはいえ、「一人の時間」そのものを減らせるなら、それがいちばんの安心材料になります。放課後の預け先や居場所の選択肢は、学童のほかにも広がっています。家庭の状況にあった選び方は共働き家庭の放課後の過ごし方ガイドで整理しているので、あわせてご覧ください。たとえば送迎なしで友達とつながれるオンラインの放課後の居場所のように、家にいながら安全に、友達と関わりながら過ごせる選択肢もあります。「一人で留守番」を「誰かとつながる時間」に変えることも、立派な防犯対策の一つです。
よくある質問(FAQ)
- 防犯ブザーはいつ持たせればいいですか?
- 小学校入学のタイミングで持たせる家庭が多いです。大切なのは「持たせること」より「いざというとき鳴らせること」。ランドセルのすぐ引ける位置につけ、電池切れがないか定期的に一緒に点検しましょう。
- 子どもがまだ小さく、約束を覚えられません。どう教えれば?
- 一度にすべてを伝えず、「知らない車にはのらない」など一つずつ、繰り返し具体的に伝えるのが効果的です。親が役になってロールプレイしたり、実際の通学路を一緒に歩いて確認すると、記憶に残りやすくなります。
- GPSとキッズケータイ、どちらを選べばいいですか?
- 「今どこにいるか知りたい」だけならGPS端末、「連絡も取り合いたい」ならキッズケータイが向いています。学校によって持ち込みルールが違うため、購入前に確認しておくと安心です。
- どうしても登下校が一人になってしまい心配です。
- まずは危険な時間帯・場所を親子で共有し、約束とグッズで備えるのが基本です。あわせて、放課後の居場所を見直して「一人の時間」自体を減らす方法もあります。学童以外の選択肢も含め、家庭にあう形を探してみてください。
まずはどんな学びか、のぞいてみよう
「好き」を入り口に、子どもが夢中になれる放課後を。NIJIN放課後プロジェクトスクールのオンライン探究を、まずはのぞいてみませんか。
NIJIN放課後プロジェクトスクールを見る ▶

