子どもの「居場所」は、特別な施設がなくても家庭からつくれます。大切なのは、安心して息をつける空気と、話をそのまま受け止めてくれる人がいること。共働きで放課後の過ごし方に悩んでも、まずは家庭でできる小さな工夫から始めれば大丈夫です。この記事では、家のあり方・関わり方から、家でも学校でもない「第三の場所」の役割まで、無理なくできる居場所づくりをやさしく解説します。
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「居場所」と聞くと、児童館や学童のような建物を思い浮かべるかもしれません。けれども、こども家庭庁の「こどもの居場所づくりに関する指針」では、居場所を物理的な場だけでなく、オンライン空間や、好きな遊び・体験をしている時間、信頼できる人とのつながりまで含めて広くとらえています。そして何より、その場所が居場所かどうかを決めるのは、大人ではなく子ども本人の感じ方だとされています。
つまり、豪華な設備や特別なプログラムがなくても、子どもが「ここにいると安心する」「自分らしくいられる」と感じられれば、それは立派な居場所です。まずは家庭という一番身近な場所から、その感覚を育てていきましょう。
「こども・若者本人にとって居心地が良いと思えるものであれば、どんな場所・時間・人との関係性であっても居場所となり得る」とされ、居場所には物理的な場だけでなくオンライン空間や時間、つながりも含まれると整理されています。
出典:こども家庭庁「こどもの居場所づくりに関する指針」 https://www.cfa.go.jp/policies/ibasho図:子どもの居場所は3つの層で支えられる
①家庭
安心の土台。ありのままを受け止め、休息と充電ができる場所。すべての居場所の中心になります。
②学校
学びと集団生活の場。友達や先生との関わりが育つ一方で、合う日も合わない日もあります。
③第三の場所
家でも学校でもない場所。習い事やオンラインの居場所など、家庭の外で子どもが自分を広げる場です。
この3つの層はどれか一つで足りるものではなく、重なり合って子どもを支えます。家庭が安心の土台になっていれば、学校や第三の場所での挑戦にも踏み出しやすくなります。

11/6(金)夜、小中学生の保護者向けオンライン説明会を開きます
家庭でできる居場所づくり(安心・受け止め)
家庭を居場所にする第一歩は、「安心して過ごせる空気」をつくることです。内閣官房・こども家庭庁設立準備室の調査研究では、子ども・若者にとっての居場所に求められる要素として、安心して休息できること、ありのままの自分でいられ受容されること、自分の気持ちや意見を表現できること、自己肯定感や自己有用感を抱けることなどが挙げられています。
居場所に求められる要素として「安心して休息できること」「ありのままの自分でいられること、受容されること」「自分の気持ちや意見を表現できること」「自己肯定感を抱けること」「自己有用感を抱けること」などが列挙されています。
出典:内閣官房 こども家庭庁設立準備室「こどもの居場所づくりに関する調査研究報告書」(令和5年3月) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9ad99381-43d1-4ede-9267-79dfd51761dc/c9152adb/20230531_councils_shingikai_kodomo_ibasho_iS4VEYb7_11.pdfむずかしく考える必要はありません。帰ってきた子どもに「おかえり」と声をかける、話し始めたら家事の手をいったん止めて聞く、テストの点や勉強の話から入らない——そんな日々の小さな積み重ねが、「この家は安心できる」という感覚を育てます。うまくできない日があっても大丈夫。完璧な親である必要はなく、受け止めようとする姿勢そのものが子どもに伝わります。
図:家庭でできる居場所づくりの工夫チェック
- 帰宅時に「おかえり」と目を見て声をかけている
- 子どもが話し始めたら、いったん手を止めて聞いている
- アドバイスや評価より先に、まず気持ちを受け止めている
- 「今日どうだった?」より「何して遊んだ?」と入り口を軽くしている
- 成績や勉強の話だけで会話が終わらないようにしている
- 家の中に、子どもが一人でほっとできる場所や時間がある
- 失敗しても責めず、次にどうするかを一緒に考えている
家庭だけで抱えないための第三の場所
家庭が安心の土台であることはとても大切ですが、家庭だけですべてを支えようとすると、保護者も子どもも息苦しくなってしまうことがあります。特に共働き家庭では、平日の放課後や長期休みに、子どもが家で一人で過ごす時間が長くなりがちです。
そこで力になるのが、家でも学校でもない「第三の場所」です。習い事、地域の居場所、オンラインの活動など、家庭の外に子どもが自分らしくいられる場所がもう一つあると、家庭の負担が分散され、子ども自身の世界も広がります。親以外に信頼できる大人がいること、家庭とは違う友達とのつながりがあることは、子どもにとって大きな安心につながります。
どんな場所を選べばよいか迷ったときは、まず保護者自身が情報を整理しておくと安心です。放課後の選択肢や関わり方については、保護者ガイドにも考え方をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
送迎なしでつながれるオンラインの居場所
第三の場所を持ちたくても、共働きだと「送迎ができない」「習い事の送り迎えが負担」という壁にぶつかりがちです。ここで選択肢になるのが、オンラインの居場所です。前述のとおり、こども家庭庁の指針でも、居場所にはオンライン空間やそこでのつながりが含まれるとされています。
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、送迎なし・オンラインで、子どもが毎日いつでも安全に友達とつながり、「やってみたい」に夢中になれる放課後の居場所です。決められた課題をこなすのではなく、子どもが自分の興味からプロジェクトを進める探究・プロジェクト型が特徴で、学童や一般的な習い事とは違った形で「自分らしくいられる時間」を家にいながら持てます。家庭という土台に、送迎の負担なくもう一つの居場所を重ねられるのは、共働き家庭にとって心強い選択肢です。

居場所を広げる関わり方
子どもの居場所を家庭の外へ広げていくとき、保護者の関わり方が鍵になります。こども家庭庁の指針では、居場所づくりを進める視点として「ふやす(多様な居場所を増やす)」「つなぐ(子どもが居場所を見つけやすくする)」「みがく(居場所をよりよくする)」「ふりかえる(実践を振り返る)」が示されています。家庭でも、この考え方はそのまま活かせます。
たとえば、子どもの「これ面白そう」に気づいたら選択肢をそっと差し出す(ふやす)、体験や見学のきっかけをつくる(つなぐ)、合わなければ無理に続けさせず一緒に見直す(みがく・ふりかえる)。大切なのは、親が決めて与えるのではなく、子どもが自分で「ここがいい」と選べるよう寄り添うことです。選ぶ主体が子どもであるほど、その場所は本人にとっての本当の居場所になっていきます。
よくある質問
- 家が狭くて、子ども専用の部屋がありません。居場所はつくれますか?
- 専用の部屋は必要ありません。居場所は物理的な広さではなく、子どもが「安心できる」と感じられるかで決まります。リビングの一角やお気に入りの椅子など、小さなスペースでも十分。子どもがほっとできる時間と関わりがあれば、そこが居場所になります。
- 共働きで帰りが遅く、平日はあまり話す時間がとれません。
- 長い時間より、短くても「ちゃんと聞いてもらえた」という質が大切です。帰宅後の数分でも、手を止めて子どもの話に耳を傾ける時間があれば、安心感は育ちます。難しい日は、家の外にもう一つの居場所を用意しておくと、家庭の時間を無理に増やさずに支えられます。
- 子どもが学校の話をあまりしてくれません。心配です。
- 話さないこと自体は珍しくありません。問いつめるより、「何して遊んだ?」など軽い入り口で日常を共有し、話したくなったときに聞ける空気をつくっておくことが大切です。家庭が安心の土台になっていれば、必要なときに子どもは頼ってくれます。
- 第三の場所は、いくつも用意したほうがよいのでしょうか?
- 数を競う必要はありません。大切なのは、子ども本人が「ここは安心できる」と思える場所があること。家庭を土台に、子どもの興味に合った場所が一つでもあれば十分です。合うかどうかを子どもと一緒に確かめながら、少しずつ広げていきましょう。
まとめ
子どもの居場所は、特別な施設ではなく、まず家庭からつくれます。安心して過ごせる空気と、話をそのまま受け止める関わり——その小さな積み重ねが、子どもにとっての土台になります。そのうえで、家庭だけで抱え込まず、家でも学校でもない第三の場所を重ねていけば、子どもの世界はやさしく広がっていきます。
送迎の負担なくつながれるオンラインの居場所も、共働き家庭にとって現実的な選択肢の一つです。完璧を目指す必要はありません。今日できる小さな一歩から、子どもの「安心」と「つながり」を育てていきましょう。
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