探究学習の進め方|4つのプロセスと、家庭で止めずに回すコツ

進め方は4つの段階
探究学習 進め方 GUIDE

探究学習は「テーマを決めて終わり」ではありません。学校では4つの段階をぐるぐる回すかたちで進められています。この記事では、文部科学省が示している探究の過程を確認したうえで、家庭で子どもの探究を止めずに回すための具体的な声かけまで、順番に整理します。

4つの段階3年生から1周したら次へ

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STEP 1

探究学習は4つの段階を回していく

まず全体像です。文部科学省は、総合的な学習の時間における探究的な学習の過程を、次の4段階で示しています。

探究の過程は「①課題の設定 → ②情報の収集 → ③整理・分析 → ④まとめ・表現」。明らかになった考えや意見をまとめて表現し、そこから新たな課題を見つけて探究を繰り返す、とされています。また、この過程は固定的に捉える必要はなく、順序が入れ替わることもあるとされています。出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_013_1.pdf

ここで大事なのは「繰り返す」という部分です。1周で終わりではなく、まとめたところから次の疑問が生まれて、また①に戻る。螺旋のように進んでいくのが探究の形です。

保護者の方へ子どもが途中で止まるのは、やる気がないからではありません。4つのうちどこで詰まっているかを見分けると、かける言葉が変わります。以下、段階ごとに見ていきます。
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STEP 2

① 課題の設定|「不思議だな」から始める

最初の段階は、日常生活や社会に目を向けて、自分で疑問を見つけるところです。テーマを与えられるのではなく、自分で見つけるのがポイントです。

ここでいちばん多いつまずきが「何も思いつかない」。そういうときは、立派なテーマを探させないことです。気になったこと、腹が立ったこと、不便だと思ったこと。入口はそれで十分です。

  • 最近「なんで?」と思ったことある?
  • もっとこうだったらいいのに、って思うものは?
  • 好きなことで、まだ知らないことってどこ?

テーマそのものの探し方は探究のテーマ例30に具体例をまとめています。

STEP 3

② 情報の収集|調べる前に「何を知りたいか」

課題が決まったら、それに関わる情報を集めます。ここで差がつくのは、調べる前に「何を知りたいのか」を言葉にできているかです。

いきなり検索すると、出てきたページを読んで終わります。先に「知りたいこと」を3つ書き出してから調べると、集めた情報が後で使えます。

表:情報の集め方と向いている場面

方法向いている場面
本・図鑑全体像をつかみたいとき。最初におすすめ
インターネット最新の数字や事例を探すとき
インタビュー本に載っていない現場の話を聞くとき
観察・実験自分で確かめたいとき
アンケートまわりの人の傾向を知りたいとき

小学生の探究が一段深くなるのは、インタビューを入れたときです。本やネットで完結せず、人に聞くと答えが自分のものになります。

STEP 4

③ 整理・分析|集めただけでは終われない

集めた情報を整理し、分析する段階です。ここが探究でいちばん飛ばされやすく、そしていちばん力がつくところです。

情報を並べただけのものは、調べ学習であって探究ではありません。分けて、比べて、関係を見つける。この作業を通すと、自分の考えが出てきます。

分ける

集めた情報を仲間分けする。付箋に書き出して動かすとやりやすい。

比べる

2つ以上を並べて違いを見る。表にすると差がはっきりする。

つなぐ

「これとこれは関係がありそう」を線でつなぐ。ここから気づきが出る。

かける言葉「調べてどうだった?」ではなく、「で、何が言えそう?」と聞いてください。情報と自分の考えを分けて話させる練習になります。
STEP 5

④ まとめ・表現|誰に伝えるかを先に決める

最後は、わかったことをまとめて表現する段階です。ここでのコツは、まとめ方より先に「誰に伝えるか」を決めること。

クラスの友達に話すのか、保護者に見せるのか、地域の人に提案するのか。相手が決まると、入れる情報も言葉づかいも自然に決まります。相手が決まっていないまとめは、ぼんやりしたものになります。

模造紙・スライド・発表のそれぞれの型は探究学習のまとめ方にまとめています。

そして、まとめたら終わりではありません。発表すると必ず質問が出ます。その質問が、次の探究の「①課題の設定」になります。ここがつながると、子どもは自分で回せるようになります。

STEP 6

止まったときの見分け方

「探究が進まない」と感じたら、4つのどこで止まっているかを確認してください。

  • ①で止まる:テーマが大きすぎる。「日本の環境問題」ではなく「うちの学校のごみ」まで小さくする
  • ②で止まる:知りたいことが言葉になっていない。先に3つ書き出す
  • ③で止まる:情報が多すぎる。いったん付箋に書き出して並べ替える
  • ④で止まる:伝える相手が決まっていない。相手を1人決める

そして、もうひとつ大きな要因があります。見てくれる相手がいないことです。家庭だけで4段階を回し続けるのは、大人でも難しい。発表の場があると、子どもは止まりません。

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FAQ

よくある質問

探究学習は何年生から始まりますか?
小学校の総合的な学習の時間は第3学年から始まります。文部科学省の解説でも、探究課題は第3学年から第6学年までの発達の段階を前提に例示されています。家庭での探究は、それより前から「なんで?」を一緒に調べる形で始められます。
4つの段階は必ずこの順番ですか?
文部科学省の解説では、この過程を固定的に捉える必要はなく、順序が入れ替わったり、特定の活動を重点的に行ったりすることもあるとされています。実際には行ったり来たりしながら進みます。
親はどこまで手伝っていいですか?
答えを教えるのではなく、段階を進める手伝いをしてください。本を一緒に探す、インタビューの相手につなぐ、発表を聞く。判断と結論は子どもに残すのがコツです。
探究学習と調べ学習は何が違いますか?
調べたことを並べるのが調べ学習、集めた情報を整理・分析して自分の考えを出すのが探究です。③の段階があるかどうかが分かれ目になります。
テーマが途中で変わってもいいですか?
問題ありません。調べるうちに本当の関心が見えてくるのはよくあることです。変わったこと自体が、探究が進んでいる証拠でもあります。

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