結論から言うと、習い事の数に「これが正解」という決まった目安はありません。ただ、多くの家庭では1〜2つに落ち着いており、大切なのは数そのものより、子どもが無理なく続けられているかどうかです。この記事では、共働き家庭の実態をふまえ、負担・送迎・費用の3つの軸から適正な数と掛け持ちの決め方、詰め込みすぎを防ぐ工夫、送迎なしでも続けやすい選択肢まで、やさしく整理します。
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「よその子は何個くらい通っているんだろう」——習い事の数は、つい周りと比べて不安になりがちなテーマです。まずは実態を落ち着いて見てみましょう。
学研教育総合研究所の「小学生白書」では、習い事をしている小学生の割合は全体で8割ほど。多くの子が何かしらの習い事に通っている一方で、通っていない家庭も一定数いることがわかります。
「習い事をしている子どもの割合は、全体で80.4%」と報告されています(2019年8月調査)。多くの小学生が習い事を経験していることがうかがえます。
出典:学研教育総合研究所「小学生白書Web版」 https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/201908/chapter7/01.htmlでは、いくつ通っているのでしょうか。民間の調査では、習い事をしている子のうち「2つ以上」を掛け持ちしている割合が半数を超えるという結果もあります。
「習い事を2つ以上している子どもは53.3%」という調査結果が示されています(3〜6歳の未就学児と小学生の保護者700人への調査、2019年5月)。
出典:バンダイ「こどもアンケートレポートVol.252 子どもの習い事に関する意識調査」 https://www.bandai.co.jp/kodomo/pdf/question252.pdfこうしたデータから見えてくるのは、「1〜2つ」が多くの家庭の落ち着きどころだということ。3つ以上に増える家庭もありますが、数が多いほど良いわけではありません。大事なのは他の子と同じ数をそろえることではなく、お子さんが楽しく、無理なく続けられているかどうか。数は目安として参考にしつつ、わが家のペースで決めていきましょう。

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数を決める3つの軸(子どもの負担・送迎・費用)
習い事の数を決めるとき、「なんとなく」で増やすと、あとで家庭も子どもも苦しくなりがちです。次の3つの軸で考えると、わが家に合う数が見えてきます。
①子どもの負担
放課後や休日が習い事で埋まりすぎていないか。自由に遊ぶ時間、宿題の時間、ぼんやり休む時間が残っているかを見ます。疲れやすい低学年ほど余白は大切です。
②送迎の負担
共働き家庭で最大の壁が送り迎え。誰が・何時に・どうやって連れて行くのか。仕事や下の子の世話と両立できる範囲かどうかが、数を左右します。
③費用
月謝だけでなく、道具・教材・発表会・交通費まで含めた総額で考えます。掛け持ちが増えるほど固定費として積み上がるため、家計に無理のない範囲かを確認します。
費用の感覚をつかむために、公的な調査も見ておきましょう。文部科学省の調査では、公立小学校に通う子どもの「学校外活動費」(習い事や塾など学校の外での活動にかかる費用)は、年間でおよそ21万円と報告されています。
公立小学校の「学校外活動費」は年間216,107円。うち習い事などにあたる「その他の学校外活動費」は123,209円と報告されています(令和5年度)。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」 https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_chousa01_000039333_3.pdfこれはあくまで平均で、家庭や地域によって幅があります。ただ、習い事が家計に占める割合は小さくないことがわかります。数を決めるときは「今の月謝+新しい月謝」を足して、無理なく続けられるか一度シミュレーションしておくと安心です。3つの軸のうち1つでも大きく無理をしているとつらくなり、逆に3つがゆるやかに回っているなら、その数がわが家に合っている証拠です。
図:習い事の数の決め方フロー
- 子どもが「やりたい」と思っているか確認する本人の興味が出発点です。親の希望が先に立っていないか、いちど立ち止まって子どもの気持ちを聞いてみましょう。
- 放課後・休日に余白が残るか見る今の予定に新しい習い事を足しても、遊びや休息、宿題の時間が確保できるかを確認します。埋まりすぎなら見送る判断も大切です。
- 送迎を無理なく回せるか考える誰が連れて行くか、仕事や下の子の世話と両立できるか。送迎が続かなそうなら、送迎の要らない形を検討します。
- 費用を合計して家計に収まるか確かめる月謝だけでなく道具・発表会費なども含めた総額で判断します。固定費として無理のない範囲かを見極めましょう。
- 迷ったら「まず1つ」から始める増やすのはいつでもできます。一つを楽しく続けられてから、次を足すかどうかを考えると失敗しにくくなります。
掛け持ちで気をつけたいこと
複数の習い事を掛け持ちすること自体は、悪いことではありません。運動系と文化系をバランスよく組み合わせるなど、上手に続けている家庭もあります。ただ、掛け持ちには気をつけたいポイントがあります。
まず、スケジュールの詰まりすぎです。曜日が埋まると、子どもは移動と練習に追われ、楽しむ余裕を失いがち。宿題や睡眠の時間が削られていないか、まず確認しましょう。
次に、送迎の掛け持ち。習い事が増えるほど、送り迎えの回数も比例して増えます。共働き家庭では、ここが破綻すると「送迎のために親が疲弊する」状態になりかねません。曜日や場所が離れている習い事を複数抱えると、負担は一気に重くなります。
そして、目的があいまいなまま増やすこと。「周りがやっているから」と数だけ増えると、どれも中途半端になりやすく、子ども自身も何のために通っているのか分からなくなります。掛け持ちするなら、それぞれに「なぜ通うのか」をゆるやかに持っておくと続けやすくなります。
詰め込みすぎのサインと見直し方
よかれと思って始めた習い事も、増えすぎると子どもに負担が出てきます。次のようなサインが見えたら、いちど立ち止まって見直すタイミングかもしれません。
図:詰め込みすぎかも?負担チェック
- 「行きたくない」と言う日が増えてきた
- 宿題をやる時間や睡眠時間が足りていない
- 朝起きられない、疲れやすいなど体調のサインが出ている
- 友達と自由に遊ぶ時間がほとんどない
- 習い事の前になると機嫌が悪くなる・お腹が痛くなる
- 親も送迎や準備でいつもピリピリしている
いくつも当てはまるなら、無理をしているサインかもしれません。見直すときは、いきなり全部やめるのではなく、次のように段階的に考えると決めやすくなります。
まず、本人に気持ちを聞くこと。「どれがいちばん楽しい?」「しんどいのはどれ?」と、責めずに聞いてみましょう。次に、優先順位をつける。本人が続けたいもの、家庭として大事にしたいものを軸に、いったん一つ休む・回数を減らすといった調整をします。休むことも、やめることも、けっして失敗ではありません。子どものペースに合わせて柔軟に増減してよい——そう考えると、親も少し肩の力が抜けるはずです。
放課後の過ごし方全体をもう少しじっくり整理したいときは、保護者ガイドに考え方をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

送迎なしで続けやすい選択肢
共働き家庭で習い事の数が思うように増やせない、あるいは続かない——その背景には、たいてい「送迎の壁」があります。どんなに良い習い事でも、送り迎えが回らなければ通い続けられません。ここが解消されると、選べる幅はぐっと広がります。
そこで近年増えているのが、送迎の要らないオンラインの習い事・居場所です。家にいながら参加できるので送り迎えの負担がなく、天候や親の仕事の都合にも左右されにくいのが魅力。掛け持ちしても移動時間がないぶんスケジュールに余白が生まれ、子どもが疲れにくい利点もあります。オンラインの習い事の選び方や向き・不向きについては、オンライン習い事のメリット・デメリットもあわせてご覧ください。
NIJIN放課後プロジェクトスクールは、送迎なし・オンラインで、子どもが毎日いつでも安全に友達とつながり、「やってみたい」に夢中になれる放課後の居場所です。子どもが自分の興味からプロジェクトを進める探究・プロジェクト型が特徴で、一般的な習い事や学童とはまた違った形で、放課後に“自分らしくいられる時間”をつくれます。習い事の数を無理に増やさなくても、送迎の負担なく友達と関わりながら「好き」を深められる——そんな選択肢もあることを、頭の片隅に置いておいてください。学童と習い事のどちらにするかで迷っている場合は、学童か習い事かの記事も参考になります。
よくある質問
- 習い事はいくつまでが適正ですか?
- 「何個まで」という決まった正解はありません。調査では2つ以上を掛け持ちする子が半数を超えますが、大切なのは数ではなく、子どもの負担・送迎・費用の3つが無理なく回っているかどうかです。1つでも十分ですし、余白を保てるなら複数でも問題ありません。
- 掛け持ちすると子どもの負担になりませんか?
- 組み合わせ次第です。曜日や場所が近く送迎が回る、運動系と文化系など性質の違うものを組み合わせる、といった工夫があれば負担は抑えられます。逆に、予定が詰まりすぎて遊びや睡眠の時間が削られているなら、数を見直すサインです。子どもの様子をこまめに見てあげてください。
- 共働きで送迎が難しく、習い事を増やせません。
- 送迎の負担は、多くの共働き家庭に共通する悩みです。送り迎えの要らないオンラインの習い事や居場所を取り入れると、移動なしで参加でき、スケジュールにも余白が生まれます。「送迎ができないから諦める」のではなく、送迎のいらない形を選ぶという発想に切り替えてみるのもおすすめです。
- 習い事を途中でやめさせるのはよくないですか?
- やめること・休むことは失敗ではありません。子どもが疲れていたり楽しめていなかったりするなら、いったん減らす・休むのも前向きな選択です。まず本人に気持ちを聞き、優先順位をつけて調整しましょう。増やすのも減らすのも柔軟に考えてよい、と捉えると、親も気持ちが楽になります。
まとめ
習い事の数に、決まった正解はありません。多くの家庭では1〜2つに落ち着き、掛け持ちする子も半数ほどいますが、大事なのは周りと同じ数をそろえることではなく、お子さんが無理なく楽しく続けられているかどうかです。数を決めるときは、子どもの負担・送迎・費用の3つの軸で考え、どれか一つに大きな無理があれば見直す。詰め込みすぎのサインが出たら、責めずに気持ちを聞き、柔軟に調整していきましょう。
送迎の壁で選択肢が狭まっているなら、送り迎えの要らないオンラインの習い事や居場所という手もあります。数を追いかけるより、子どもが「好き」に夢中になれる時間を無理なく重ねていく。そんな気持ちで、わが家に合う放課後を選んでいけたら十分です。
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